子育てや仕事で忙しいみなさん、お疲れ様です。
心身のリフレッシュのためにいろいろやっているものの、ストレスや疲労が蓄積していませんか。
この記事では、鈴木裕介(2023)『心療内科医が教える本当の休み方』株式会社アスコムを読んで、私が取り入れることにした「3つのプロセスを経て休養活動をすること」と本のレビューについて書いています。
こんにちは。ダイチです。
2人の子ども(2歳差)の父親で、育児と仕事の両立が辛かった経験があります。
辛かった経験から、心身をリフレッシュする方法を模索しています。
この記事が心身をリフレッシュする方法を見つけること、そして子育てと家庭を両立させることの一助になれば幸いです。
『心療内科医が教える本当の休み方』とは
『心療内科医が教える本当の休み方』(以下、『本当の休み方』)は、内科医・心療内科医である鈴木裕介さんが書いた本です。著者は、「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトにした秋葉原saveクリニックの院長でもあります。
著者が本書で何を伝えたいかは、「はじめに」から引用したいと思います。
「忙しくて休む時間が取れない」「休日も気持ちが休まらない」「自分では休んでいるつもりなのに、なかなか疲れがとれない」というみなさんに、たとえ短い時間でも「本当の休み」をとっていただくための方法をお伝えします。
鈴木裕介(2023)『心療内科医が教える本当の休み方』株式会社アスコム
ダイチが得た知識:3つのプロセスを経て休養活動をすること
『本当の休み方』を読むと様々な気付きがあって、人によって持ち帰る知識は様々だと思います。
私は本書を読んで、「3つのプロセスを経て休養活動をすること」を実生活に落とし込んで、心身のリフレッシュが効率的にできるようになりました。
3つのプロセスとは、
- 休みが必要な状態の自覚
- 休むことができる環境の確保
- 適切な休養活動の選択
です。
プロセス1で休む必要性を自覚したから、プロセス2で休むことができる環境を確保して、プロセス3で適切な休養活動を選択して心身のリフレッシュをするといった感じでしょうか。
1 休みが必要な状態の自覚
内容
人はストレスがかかると「交感神経優位な状態(炎のモード)」または「腹側迷走神経優位な状態(氷のモード)」になります。このどちらの状態(休みが必要な状態)になっているかを自覚することです。
ちょっと何を言っているかわからないと思いますので、『本当の休み方』89ページを参考に図にしてみました。
自律神経の状態として3種類あり、その2つがストレスがかかっている状態ということです。この状態を自覚することがプロセス1になります。
自覚は難しい
休みが必要な状態の自覚は難しいと『本当の休み方』には書いてありました。
なぜかというと、ストレスがかかると抗ストレスホルモンが出てストレスを感じなくするからです。この状態はホルモンが枯渇するまで概ね3ヵ月続くとのことです。
身体的には約3ヵ月の間ストレスを認識しにくいというのは危険だと思いました。早めに自覚したいですね。
さらに休みが必要な状態の自覚を難しくする要素に、私たちはポジティブな変化をストレスだと頭では考えない場合があるということです。例えば、「結婚」「妊娠」「昇進」などです。
変化はすべからくストレスであるという認識を持つようにしましょう。
私はポジティブな変化をストレスだと考えない傾向があったのだと気付きました。ストレスを感じていたにもかかわらずです。
「変化はすべからくストレス」でストレスの原因は見つけていきたいです。
更に、日常の小さなストレスも気付きにくいということもあります。例えば、対人関係の「ちょっとあの言い方気になるなぁ」などのストレスをなかったことにしてしまうなどです。
日常の小さなストレスを放置するとダメージが蓄積してしまいます。
本書では、日常の小さなストレスを感じたら気づいて記録するという対処方法をおすすめしていました。
私は日常の中で何かもやっとしたものを感じたら、iPhoneのヘルスケアアプリで心の状態を記録するようになりました。
併せて、嬉しいというような気持ちの変化も記録しています。
2 休むことができる環境の確保
内容
休むことが必要な状態を自覚したら、次のプロセスは休むことができる環境の確保になります。
『本当の休み方』での休むことができる環境とは、他者のニーズから離れ、自分のニーズを満たす状態のことです。
自分のニーズを満たすことに時間やエネルギーを使いましょう。
環境の確保は難しい
ですが、やっぱり休むことができる環境の確保は難しいですよね。
『本当の休み方』の中から長いですが引用します。
振られた仕事や家事など、日々のやらなければいけないことの手を休め、休養のための時間を調達しないといけないのです。
そのために、いま抱えている業務をほかの誰かに引き継いでもらうなど、周囲の協力が必要になってくるケースも多いでしょう。
しかし、素直に「自分が不調である」ということを第三者に伝えられる人が、どれだけいるでしょうか。
心配をさせたくない、迷惑をかけたくない、評価を下げたくない、スキを見せたくない、といったさまざまな心理が、「休みたい」と伝えることの障壁になってしまうのです。
鈴木裕介(2023)『心療内科医が教える本当の休み方』株式会社アスコム
本書では、本当はいつ休んでもいいとしたうえで、一度、他人のニーズに応えたいと言う気持ちから離れてほしいと書いてありました。
3 適切な休養活動の選択
内容
最後のプロセス、適切な休養活動の選択とは、身体のニーズを把握し、それに応えることです。
身体のニーズ把握とは、「休みが必要な状態の自覚」のところで書いた「交感神経優位な状態(炎のモード)」なのか「腹側迷走神経優位な状態(氷のモード)」のどちらなのかを認識するということです。
そして、身体のニーズに応えるとは、自分が現在炎のモード(交感神経優位な状態)になっているのであれば、落ち着いた状態(副交感神経優位な状態)にもっていく必要があります。氷のモード(背側迷走神経優位な状態(副交感神経の一部))になっているのであれば、活動的な状態(交感神経優位な状態)にもっていく必要があります。逆にするということですね。
ただし、同じ氷のモードでも、体力・気力があるうちは活動的な状態(交感神経優位な状態)にもっていくことで良いのですが、体力・気力がゼロの状態(『本当の休み方』では「シャットダウン」と表現されていました)になっている場合には活動的になるのではなく腹側迷走神経優位な状態(副交感神経の一部)にする必要があります。
自分に合った休養活動を見つける
上記のような考え方を理解したうえで、最終的には自分に合った休養活動は何かを見つける必要があります。
休養活動を見つける1つの方法としては、「BASICPh」というものがあります。
「BASICPh」とは、
- Belief(信念・価値)
- Affect(感情・情動)
- Social(社会的)
- Imagination(想像力)
- Cognition(認知)
- Physiology(身体)
の頭文字を取ったもので、人のストレス対処方法は上記の6つのチャンネルに分類できるというものです。
一人ひとりストレス対処方法は違います。
ですので、自分がストレスを感じた時に対処方法としてやっていることを書き出してみて、書き出したことが6つのチャンネルのどれに分類できるかを見てみましょう。自分の傾向が分かりますよ。
また、自分の傾向がわかったら、「BASICPh」の自分の傾向と隣接しているチャンネルも新しくストレス対処方法に取り入れてみると良いかもしれません。
例えば、ユーモアなことをしてストレスに対処している人が「ユーモアを大事にすることの合理性を学習する」という感じです。ユーモアはImagination(想像力)に分類されるのですが、その隣Cognition(認知)にストレス対処方法の幅を広げる感じです。
ダイチ感想
『本当の休み方』の対しての私の感想としては、「休み方に悩みがある人には読んで欲しい」です。
読んだきっかけ
私は子育てと仕事の両立を目指しながら生活をしています。この記事を書いている2023年現在、子どもが長男5歳・次男3歳になり以前のような大変さは減りました。
ですが、やはり疲れが溜まる時もあります。効率的な休み方(休むスキル、休む技術)を知りたいと思っていました。
そんな中、妻が『本当の休み方』を買ってきておすすめしてきたので、読んでみました。
持ち帰る知識があった
既に書いたように、『本当の休み方』を読んで私は「3つのプロセスを経て休養活動をすること」という知識を持ち帰ることができました。そして、この知識を実践しています。
その結果、ストレス(自分の状態)とその対処方法が明確になって以前よりも心身をリフレッシュさせやすくなりました。
ちなみに、「3つのプロセスを経て休養活動をすること」は私がポイントだと思っている部分なだけです。本書にはその他の具体的なリラックス方法なども書かれています。人によってはもっと多くの知識を持ち帰ることができると思います。
理解しやすい。読みやすい
『本当の休み方』は、その休み方を著者がなぜすすめるのかについての理由や背景の説明が丁寧で理解しやすかったです。交感神経・副交感神経とはから始まり、古典的なストレス理論から新しいストレス理論までの流れは私にとっては好きな話の展開でした。
また、本書は素直に読みやすいです。著者が心療内科医でストレスを感じやすい人に向けて寄り添って書いているのだなと感じました。各見出しの最初には挿絵もあり、読んでいて癒されました。
ポージェス博士がピースサインしている挿絵には特に癒されました。
著者の特徴が出ているなと思ったのは、著者がおそらくゲーム好きだという点です(『スプラトゥーン』をやっているなどの記載があります)。ゲームを使った比喩表現があるのですが、ゲームに慣れ親しんでいる人はイメージがより湧きやすく、著者との距離感が近い感じで読めると思います。
インターネット上の口コミ
インターネット上の口コミを見てみると、
- 体の反応の背景の説明が具体的に書かれているのでわかりやすかった
- 理論に則った対処法の説明が丁寧で納得感があった
- 休みの日にきちんと休めたら回復するのにと思っていた矢先にこの本と出会いました。私には必要な本でした
というようなおすすめする口コミもある一方で、
- 理論の説明の中に対処法の説明が埋もれているので、対処法だけを思い出すために探すのは少し苦労する
というようなものも見られました。
「理論の説明の中に対処法の説明が埋もれている」という点は私も読んでいて感じました。
自分にとって大事なところをメモしながら読めば良いと思います。
メリット・デメリット
『本当の休み方』を読むことによるメリット・デメリットをまとめます。
メリット
『本当の休み方』を読んで得られるメリットは、
- ストレスがかかっている状態なのかがわかるようになる
- ストレスへの対処方法(本当の休み方)がわかる
- 休日が充実する(本当の休み方を実践すれば)
だと私は思います。
デメリット
『本当の休み方』を読むことでのデメリットは、敢えて書くなら
- 本書の構成が人によっては合わない
くらいでしょうか。
口コミのところで若干触れた内容なのですが、本書は本当の休み方を説明するにあたってその背景の説明が丁寧です。その結果、背景の中に本当の休み方が埋もれています。
背景の説明が丁寧なのは、恐らく本書の対象者を心療内科を受診するような状態の人に想定しているからだと思っています。
著者がストレスを感じやすい人に向けて寄り添って書いているのだと思います。柔らかく説明してくれているので読みやすいですよ。
著者の言いたいことがはっきりとわからないなぁと思ったら、メモをしながら読みましょう。
おすすめする人
『本当の休み方』をおすすめする人は、
- 休み方に悩んでいる人
- 休んでいるつもりが、なかなか疲れが取れない人
- 効率的な休み方(休むスキル、休む技術)を知りたい人
です。
早めに知っておきたい知識
休み方は早めに知っておきたい知識だと思いました。知った後の人生は良くなること間違いなしです。
- 子育てと仕事の両立
- 介護と仕事の両立
- 仕事が多忙
- 勉学をもっと効率的にしたい
などの悩みの解決に貢献すると思います。
休み方を知らずに生活を続けて、心療内科を受診する段階になってから本書を知る方が人生へのダメージが大きいと思います。
1,500円でこのような知識を得られるなら安いものです。
まとめ:本当の休み方を知り、人生を充実させよう
この記事では、『本当の休み方』を読んで私が取り入れることにした「3つのプロセスを経て休養活動をすること」と本のレビューについて書きました。
3つのプロセスとは、
- 休みが必要な状態の自覚
- 休むことができる環境の確保
- 適切な休養活動の選択
です。
私の本書を読んだ感想は、
- 持ち帰る知識があった
- 理解しやすい。読みやすい
です。
私は「3つのプロセスを経て休養活動をすること」という知識を持ち帰ることができましたが、人によってはもっと多くの知識を持ち帰ることができるのかもしれません。また、理由や背景の説明が丁寧なので理解しやすく、読みやすいです。
『心療内科医が教える本当の休み方』を読んで、心身をリフレッシュする方法を見つけて子育てと家庭を両立させていきましょう!