子どもが自分で楽しみながら成長するための環境として、学習スペースを整えることや教育的な遊び道具・本を揃えることが大事だとは分かってはいるものの、実際にどのような環境を整えれば良いか具体的なイメージが湧かないと思ったことはありませんか。
この記事では、家庭での教育環境設定についての本、松永暢史(2019)『賢い子どもは「家」が違う!』株式会社リベラル社を紹介します。
こんにちは。ダイチです。
2人の子ども(2歳差)の父親で、子どもが主体的に遊び・学ぶための環境設定に興味があります。
この記事が、家庭で子どもが楽しみながら学ぶ環境を整えることの一助になれば幸いです。
『賢い子どもは「家」が違う!』とは
『賢い子どもは「家」が違う!』とは、教育環境設定コンサルタントの松永暢史さんが教育環境設定の重要性と方法について書いた本です。
著者
著者の松永暢史さんは、サイコロ学習法などのメソッドを開発している方のようです。
教育相談事務所V-netも主宰しているとのことです。
『賢い子どもは「家」が違う!』の最初の一文には、以下のような記載もありました。
私は、世間では「カリスマ家庭教師」「音読の先生」などと名が通っていますが、自分では「教育環境設定コンサルタント」と名乗っております。
松永暢史(2019)『賢い子どもは「家」が違う!』株式会社リベラル社
教育環境設定の概要
教育環境設定の詳細は『賢い子どもは「家」が違う!』を読んでいただくとして、設定方法の概要を紹介したいと思います。
教育環境設定は、ハード面とソフト面に分けることができます。
ハード面
教育環境設定のハード面は、
- リビング
- ダイニング
- 寝室
- 浴室・洗面所・トイレ
- 子ども部屋
- 庭・ベランダ
という部屋の種類に着目するものと、
- 本選び
- 遊び方・おもちゃ選び
が含まれます。
『賢い子どもは「家」が違う!』が主に扱っている内容ですね。
具体的には、リビングであれば下記のような記載があり、私にとっては参考になりました。
いつでも本が手に取れる環境、そして常に家族の誰かが本を読んでいる環境。
(中略)
子どもがまだ幼いなら、子どもが手にとって自分で楽しむためと、親が読み聞かせをするための2種類の本を用意しておくとよいでしょう。
また、写真やイラストがきれいな図鑑をリビングに置いておくのもおすすめです。
松永暢史(2019)『賢い子どもは「家」が違う!』株式会社リベラル社
他にも、テレビをリビングから撤去するという方法も紹介されていました。
私はテレビはなくても良いと思っている人間なので共感する箇所ではありましたが、我が家では現実的な方法ではないと思いました。テレビは撤去しませんでしたが、本書に書かれていた「良質な番組のみ厳選して視聴する」という点は取り入れようと思いました。
そして、リビングとは別の本選びの項目で、具体的に著者がおすすめする本が紹介されていました。
本書で紹介されていた子ども名作全集は、元々買いたいと思っていた本だったので改めて買いたいと思いました。長男は鉄道が好きで地図をよく見るのですが、その長男に買いたいと思った地図も紹介されていました。さらに、鉱物や元素の図鑑については私の中であまり意識していなかった図鑑だったので、そういった図鑑が具体的に紹介されていたことも嬉しかったです。
ソフト面
教育環境設定のソフト面は、
- 家族
です。
子どものベースは家族にあるとして、『賢い子どもは「家」が違う!』では
- 親の人柄や子どもへの接し方、家庭内での役割分担(経済状況はさほど大きな問題ではない)
- 家族それぞれが主体的に考える環境
について書いています。
ダイチの感想
『賢い子どもは「家」が違う!』を読んだ私の感想は、
- コンパクトかつ網羅的な内容
- 具体的な方法
- 環境が大事
の3つです。
コンパクトかつ網羅的な内容
『賢い子どもは「家」が違う!』はコンパクトで読みやすかったです。
本書で書かれている教育環境設定の重要性と方法の各項目が結論・内容と理由のみで構成されていて文量が少なかったです。サクサク読み進めることができます。
教育環境設定の内容もハード面とソフト面の双方から網羅的に書かれていたと感じることができた点も満足度が高かったです。
具体的な方法
幼児から小学生までの本とおもちゃが具体的に紹介されていたことも嬉しかったです。
既に持っている似たような本・おもちゃがあれば、買い揃えるものの方向性が合っていることを確認できます。持っていないものがあれば、各家庭の状況に合わせて買っていったら良いと思います。
私はどうぶつしょうぎを買いたいと思いました。
私が将棋が好きなのもありますし、6歳の長男と4歳の次男の2人にルールに沿った遊びを教えるのにちょうど良いと思ったからです。
(あと、後手必勝が解析されていることもいつか教えたい・・・)
また、私はモンテッソーリ教育が好きなのですが、モンテッソーリ教具の代わりになりそうなおもちゃが多数紹介されていたとも思いました。
本物のモンテッソーリ教具は高いんですよね。なかなか手が出せません。また、手作りするのも大変です。
本書で紹介されていたおもちゃはどれもお手頃でした。
環境が大事
『賢い子どもは「家」が違う!』を読んでの感想というよりは、本書を含めていろいろな子育てに関する本を読んでの感想になるのですが、子育てにはのびのび育つ環境が大事だと思いました。
本書に書いてあるようなハード面とソフト面の環境を整える親、そしてそのうえで、子どものことをよく見る親の存在が大事だと思いました。
本書では、「遊ばせ方で、子どもが変わる」の項目の中に「輝く瞬間を見逃さない」という項目があります。私が改めて意識しようと思った内容を、少し長いのですが引用します。
子どもが遊びに集中しているとき、特に注意して観察していただきたいことがいくつかあります。まずは「何をやろうとしているのか」ということ。特に幼い頃は、子どもが熱心に取り組んでいるのがなんなのか、わからないことが多々あります。(中略)このとき、決して「何しているの?」と聞いてはいけません。じっと観察して、何がしたいのかを見るのです。
そして、前述しましたが、子どもがうまくいかなくて試行錯誤を繰り返しているときは、決して手を貸してはいけません。ただ、見守ってください。
松永暢史(2019)『賢い子どもは「家」が違う!』株式会社リベラル社
親の自己満足で教育環境を整える、そして子どもを放っておくのではなく、教育環境を整えたうえで子どもが集中できているのかをよく見たいと思いました。
インターネット上の口コミ
インターネット上の口コミを見てみると、
- とても納得がいく内容。一般家庭でも取り入れやすく良かった。焚き火をおすすめしていることが新鮮でした
- 家造りの際にも役立ちました
- 日常生活を子ども目線で見直すきっかけになりました
というようなおすすめする口コミもある一方で、
- ”リビングにテレビを置かない”は現実的ではない
- 独特な本
- あまり当てはまらず。結局は人それぞれだと思う
というようなものも見られました。
『賢い子どもは「家」が違う!』で書かれている教育環境設定の方法の一部には尖った内容もあります。リビングにテレビを置かないというものはその典型例だと思います。
ですが、本書に書かれている多くの方法は納得できる内容で、実践可能なものです。
ただし、本書に書かれている方法を実践することで子どもが必ず賢くなるかは不明ですし、本書に書かれている方法以外の方法でも子どもが賢くなることは可能だと私は思っています。
子育ての「しくみ」に興味がある私にとっては響く内容でした。
各家庭の状況に合わせて、取り入れることができそうなものを取り入れる感じで読むことをおすすめします。
メリット・デメリット
『賢い子どもは「家」が違う!』を読むメリットは、
- 家庭での教育環境設定の方法を学ぶことができる
という点に尽きると思います。
デメリットがあるとすれば、
- 著者と価値観が合わない人が読むと意味がない
- 本書に書かれている内容を考えなしに全て取り入れようとするとうまくいかない可能性がある
でしょうか。
著者と価値観が合わなくても、そういう方法もあるのかと少し心の距離を離して読む。自分の家庭に取り入れることができそうなものだけを取り入れる。
こんな感じで読むとデメリットがなくなると思います。
おすすめする人
『賢い子どもは「家」が違う!』をおすすめする人は、
- 家庭での教育環境(しくみ)に興味がある人
です。
本書のサブタイトルにもありますが、10歳までの子どもを持つ親なら特におすすめです。
子どもの成長のために1日でも早く読もう
『賢い子どもは「家」が違う!』で書かれている教育環境設定の多くは、実践すると子どもが賢く育つと私は思っています。
子どもが自分から楽しく学んでいく環境になっていると思うからです。
そうすると、その環境は1日でも早く整えてあげる方が良いと思っています。
私が本書を読んだ時期は、長男が6歳・次男が4歳の時期です。これから、我が家では取り入れることができるところから本書の内容を取り入れていこうと思っています。
ですが、本書にはおすすめのおもちゃとして1〜2歳のものも出てきます。
私にとっては本書の内容の一部は取り入れたいと思っても、子どもの適齢期を過ぎてしまっているのです。
そうならないためにも、家庭での教育環境(しくみ)に興味がある人には子どもの成長のために1日でも早く本書を読んでほしいと思っています。
まとめ:教育環境設定で子どもが楽しみながら学ぶ環境を整えよう
この記事では、家庭での教育環境設定についての本、松永暢史(2019)『賢い子どもは「家」が違う!』株式会社リベラル社を紹介しました。
本書は、教育環境設定の重要性と方法について書かれた本で、
- リビング
- ダイニング
- 寝室
- 浴室・洗面所・トイレ
- 子ども部屋
- 庭・ベランダ
- 本選び
- 遊び方・おもちゃ選び
という教育環境設定のハード面と
- 家族
という教育環境設定のソフト面の方法が具体的に書かれています。
教育環境設定の方法の一部には、リビングにテレビを置かないという尖った内容もあります。
ですが、本書に書かれている多くの方法(例えば、リビングはいつでも本が手に取れる環境、そして常に家族の誰かが本を読んでいる環境にする)は納得できる内容で、実践可能なものです。
各家庭の状況に合わせて、取り入れることができそうなものを取り入れる感じで読むことをおすすめします。
教育環境設定をすることで、子どもが楽しみながら学ぶことができる家庭環境を整えていきましょう!