- 正しい子育てができているか自信が持てない
- 自分の行動や選択が子どもに悪影響を与えているのではないか
と思ったことはありませんか。
このように感じている場合、やってはいけない子育てを知ることで解決するかもしれません。
この記事では、
- やってはいけない子育て
- やってみたい子育て
について書いてある、中山芳一(2023)『「やってはいけない」子育て 非認知能力を育む6歳からの接し方』日本能率協会マネジメントセンター(以下、『「やってはいけない」子育て』)について紹介します。
こんにちは。ダイチです。
2人の子ども(2歳差)の父親で、子どもにとって最善の環境を提供し、子どもの成長を促すことに興味があります。
この記事が、
- 子どもの自立のサポート
- 子どもとの信頼関係の構築
に自信を持って取り組めるようになることに貢献できれば幸いです。
『「やってはいけない」子育て』とは
著者
著者の中山芳一さんは、岡山大学教育推進機構に准教授として所属し、幼児から高校生までの子どもが非認知能力などを向上できるように尽力されている方です。
『「やってはいけない」子育て』以外にも、複数の著作があります。
また監修ではありますが、『ときデザインノート』というものがあり、子育てに導入しても良いかもと思いました。
概要
『「やってはいけない」子育て』の概要を私なりの視点で整理すると、
- 4種類の子育て
- 「やってはいけない」子育て
- 小学生の特徴
- 非認知能力とは
- 「やってみたい」子育て
の5つになると思っています。
4種類の子育て
『「やってはいけない」子育て』は、タイトルどおり「やってはいけない」子育てについてだけが書かれた本ではありません。
著者は子育てには4種類あるとしています。具体的には、
- 「プラスα」の子育て
- 「やってみたい」子育て
- 「やってはいけない」子育て
- 「最もやってはいけない」子育て(虐待)
です。
本書は、「はじめに」でこの子育ての4種類について明確にしてから以下のような内容を展開していきます。
「やってはいけない」子育て
『「やってはいけない」子育て』のタイトルにもなっている子育てです。
本書における「やってはいけない」子育てとは、子どもの権利を守らない子育てのことをいいます。
親は、子どもの権利を守るだけ。あとは我が子に委ねて自ら育っていくことを信頼するだけです。
本書では、子どもの権利条約の権利を簡単に紹介したうえで、
- 「やってはいけない」子育ての具体例
- 「やってはいけない」子育てを変える方法
について11項目に分けて書いています。
小学生の特徴
『「やってはいけない」子育て』には、小学生の特徴についても書かれています。
小学生の間の6年間には、
- 低学年
- 中学年
- 高学年
という3つの時期があるということです。
3つの時期の特徴について、スキャモンの発育曲線を使って説明しています。
ざっくりと説明すると、低学年の時期は、感覚や運動を司る神経は大人と近い水準になっています(上記リンク先の神経型の曲線)。ですが、身長・体重や筋肉・骨格は大人の半分ほどで著しく成長しない時期になります(上記リンク先の一般型の曲線)。
中学年の時期は、神経が大人と同じ発育レベルに達していく時期です。思考の発達や社会的な発達が特徴になります。
高学年の時期は、あたまもからだも大人へとより近づく時期です。前思春期と呼ばれることもあります。
非認知能力とは
『「やってはいけない」子育て』には、非認知能力についての説明もあります。
非認知能力とは、その力の高さや低さがはっきりとわからない力のことをいいます。
具体的には、
- 忍耐力
- 自制心
- 回復力
- コミュニケーション能力
- 共感性
- 協調性
などのことです。
一方で、認知能力とは、点数にできる力のことをいいます。
具体的には、読み・書き・計算などの力のことです。
本書では、非認知能力には、認知能力の獲得・向上を支える力があるとしていました。
子育てと家を建てる過程とを重ねて
- 土台(自己肯定感)
- 柱・筋交い(非認知能力)
- 壁・天井・窓・扉・装飾(認知能力)
と表現していました。
そして、非認知能力を伸ばす手助けをする方法について、非認知能力のピラミッドというものを使って説明していました。
ピラミッドの底辺から
- 気質・性格・基本特性
- 価値観
- 自己認識
- 行動特性
- 行動
というものがあるというものです。
気質・性格・基本特性は変えることが難しい。また、行動は変えやすいがその場しのぎになりやすい。だから、親としては、子どもの価値観、自己認識、行動特性に働きかけたいというものです。
「やってみたい」子育て
『「やってはいけない」子育て』には、「やってはいけない」という否定から入る子育てだけでなく、「やってみたい」という肯定から入る子育てについても書いてありました。
具体的には、
- 子どもの「見取り」ができる子育て
- 「価値の共有」ができる子育て
- 体験を経験に変える子育て
- 持っておきたい「子育て軸」
というものです。
ダイチの感想
『「やってはいけない」子育て』を読んでの私(ダイチ)の感想は、
- 今やっている子育ての性質を認識できるようになった
- 小学生の子育てに活かせる
- 非認知能力について理解することができた
です。
今やっている子育ての性質を認識できるようになった
- 「プラスα」の子育て
- 「やってみたい」子育て
- 「やってはいけない」子育て
- 「最もやってはいけない」子育て(虐待)
という4種類の子育てがあるという認識を持てて良かったです。
この4種類の子育てがあるという認識を持って子育てをしている人はどれくらいいるのでしょうか。
「最もやってはいけない」子育て(虐待)がどういうものかは多くの人は認識していると思います。また、子どものことを思って積極的な子育てをやる時は「プラスα」の子育てになっているとも認識できると思います。
ですが、その間にある子育てについてはどの程度解像度高く認識しながら子育てをしているのでしょうか。
少なくとも私は、「プラスα」の子育てと「やってみたい」子育ては混ざっていたと思います。また、「最もやってはいけない」子育て(虐待)はしていないだろうけど、普通の子育ての中で「やってはいけない」子育てにはどのようなものがあるのだろうかという疑問を持っていました。
本書では「やってはいけない」子育てについて、あれもダメ、これもダメというようなダメな子育てを羅列するばかりの何をしたら良いかわからなくなる内容ではありませんでした。子どもの権利を守れば「やってはいけない」子育てにはならないという、子どもの権利を守れば良いという基準から話が進むので、「やってはいけない」子育てをしないためにどういう子育てをしたら良いかについて頭に入ってきやすかったです。
小学生の子育てに活かせる
小学生のあたまとからだの特徴について知ることができたので、小学生の子育てに活かせると思いました。
この記事を書いている時点では、私の子どもは6歳と4歳です。
子育てをして実感したのは、子どものその時期(年齢)の特徴を知ったうえで子育てをすることの重要性です。
例えば、3歳くらいまでであれば同じ順番にこだわったりします。この特徴を知って子育てをしていると、そういう時期なんだと思って心に余裕を持って子育てをすることができます。
小学生には3つの時期がある。その3つの時期の子どもの特徴を心に留めておき、余裕を持った子育てをしていきたいと思います。
非認知能力について理解することができた
『「やってはいけない」子育て』を読んで、非認知能力について理解することができました。
私はお恥ずかしい話、非認知能力とはよく聞くものの、どういうものかを具体的に認識していませんでした。
非認知能力の意味、具体的な力の内容、認知能力の獲得・向上を支える力であることを知ることができました。そして、非認知能力のピラミッドという整理で、子育てのなかで子どもに働きかける方法を学ぶことができました。
インターネット上の口コミ
インターネット上の口コミを見てみると、
- 子どものためを思ってやっていたことが押し付けだったと気づかせてくれた
- 新たな発見がある本、今までの振り返りもできる本。著者の例えもわかりやすい
- 「やってはいけない」子育てについて、個人の感覚ではなく子どもの権利という視点から書いてあるところが新しい。最後は「やってみたい」子育てへ繋がるところも良い
というようなおすすめする口コミもある一方で、
- 「やってはいけない」子育てをしないためにはアンガーマネジメントが必要だと思った
- 実践には体力的・精神的な余裕も重要
というようなものも見られました。
『「やってはいけない」子育て』の内容そのものに対しての否定的な意見は特に見受けられませんでした。
子どもとの関わり方について気付きを与えてくれる本としてはかなり有益な部類に入ると思います。
一方で、本書の内容を実践する時に必要な親の心の余裕などについては、本書以外のものを参考にして作り出す必要があります。
私にとっては、私がこれから直面する小学生の子育てに役立てることができそうなものが多くあり、読んで良かったと思っています。
メリット・デメリット
『「やってはいけない」子育て』を読むメリットは、
- 4種類の子育て
- 小学生の特徴
- 非認知能力とは
を知ることができることです。
デメリットは特にないのですが、あえて挙げるとすれば、親に子育ての余裕がない場合は本書の内容を実践できないため読む時間を無駄にしてしまいます。
体力的・精神的余裕を作ることを優先しつつ、可能な限り同時並行で本書を読んでみてはどうでしょうか。
おすすめする人
『「やってはいけない」子育て』をおすすめする人は、
- 4種類の子育てに興味がある人
- 非認知能力について知りたい人
になります。
上記の人の中でも、小学生年代以下の子どもを持つ親には特におすすめします。
- 小学生の子ども
- 小学校入学直前の子ども
- 入学直前でなくても、就学前の子ども
の子育てに役立ちます。
子どもの成長のために1日でも早く読もう
『「やってはいけない」子育て』には、
- 自己肯定感
- 非認知能力
- 認知能力
という順で子どもが育つという記述がありました。
認知能力を育てるためには非認知能力が必要です。非認知能力を育てるためには自己肯定感が必要です。非認知能力を無視して認知能力を育てようとしないようにしたいですし、非認知能力を育てるために自己肯定感が育たないような子育てはしたくないですね。
認知能力を育てるために順を追って子育てをしたいところです。
このような本書の内容を1日でも早く知り、子育てに取り入れていきましょう。
まとめ:「やってはいけない」子育てを前提に、「やってみたい」子育てをしよう
この記事では、
- やってはいけない子育て
- やってみたい子育て
について書いてある、中山芳一(2023)『「やってはいけない」子育て 非認知能力を育む6歳からの接し方』日本能率協会マネジメントセンターについて紹介しました。
本書は、
- 「プラスα」の子育て
- 「やってみたい」子育て
- 「やってはいけない」子育て
- 「最もやってはいけない」子育て(虐待)
という4種類の子育てについて知ることができます。また、
- 小学生の特徴
- 非認知能力
についても知ることができます。
本書をおすすめする人は、
- 4種類の子育てに興味がある人
- 非認知能力について知りたい人
です。上記の人の中でも、小学生年代以下の子どもを持つ親には特におすすめします。
- 小学生の子ども
- 小学校入学直前の子ども
- 入学直前でなくても、就学前の子ども
の子育てに役立ちます。
本書を読むことで、
- 子どもの自立のサポート
- 子どもとの信頼関係の構築
に自信を持って取り組んでいきましょう!