育児、家事、仕事に忙しいなかで、「子どもの学習について、おうちで何かした方が良いのでは」と思ったことはありませんか。
この記事では、陰山英男(2023)『陰山流 新・おうち学習戦略』株式会社Gakkenについて紹介します。
(本書の著者やタイトルの「陰山」は本来「隂山」ですが、この記事では陰山と表記しています)
こんにちは。ダイチです。
私は、2人の子ども(2歳差)の父親で、子どもたちが楽しみながら学べる環境に興味があります。
育児と仕事の両立に悩んだ経験から、育児に役立つ情報を共有したくてブログを作っています。
この記事が、子どもの年齢や学習スタイルに合ったおうち学習計画を立てる参考になり、子どもが楽しみながら学ぶ環境を作ることに貢献できたら幸いです。
『陰山流 新・おうち学習戦略』とは
『陰山流 新・おうち学習戦略』(以下、『新・おうち学習戦略』とします)とは、
- 立命館小学校副校長(その後、校長顧問)
- 内閣官房教育再生会議委員
- 大阪府教育委員長
などを歴任したことのある教育クリエイター・陰山英男さんが、年中・年長から小学生までの子どもを持つ親に向けておうち学習の方法について書いた本です。
具体的には、
- おうち学習成功のための環境づくり4つの鉄則
- おうち学習計画の立て方
- おうち学習の具体的マニュアル
が書かれています。
おうち学習成功のための環境づくり4つの鉄則
おうち学習成功のための環境づくり4つの鉄則とは、
- おうち学習計画を立てる
- 早寝・早起き・朝ご飯を習慣にする
- 時間意識を身につけて集中する練習をする
- 見守りとルールを確立する
です。
おうち学習計画を立てる
我が子に合わせたおうち学習計画、年間計画を立てることが大事だということです。
詳細は、後述する「おうち学習計画の立て方」において説明があります。
早寝・早起き・朝ご飯を習慣にする
9時に寝て6時に起きることが理想。少なくとも8時間以上の睡眠をとることが大事。
朝ご飯は、「ご飯と味噌汁」と「もう一品」があると良いとのことでした。
時間意識を身につけて集中する練習をする
丁寧な勉強よりもスピーディな勉強を心掛ける。
時間管理が大事。開始時間と学習時間(15分が基準)を決める。
見守りとルールを確立する
前提として、ポジティブに見守ることが大事。
おうちのルールを作り、そして、守る。
おうち学習計画の立て方
我が子に合わせるということがまず大事になります。
そして、学習計画を立てます。
具体的には、
- 1年分の勉強内容を2か月で終わらせる
- そして、1年分の勉強を1年に3回以上繰り返す
です(追い越し学習)。
1年間の勉強を4回繰り返せば、勉強内容の「基礎」を作り、それを「盤石な基礎」にして、「超強力な基礎」へ昇華でき、4回目をする頃には「不足分や応用」ができるようになるということです。
『新・おうち学習戦略』で一貫して言われていることなのですが、子どもの様子を見ながら基礎を頑丈にしていくということです。
本書ではこの項目で「4年生で6年間の勉強を終えるのが理想」(学年を超えた追い越し学習)にも言及しています。そして、「先取り学習」との違いについても書かれています。
また、「学習に遅れがある場合」の計画についても言及しています。学習内容を戻ることを躊躇わないということです。
そして、具体的な教材(例えば、『陰山メソッド 徹底反復「百ます計算」』など)についても提示されています(巻末資料に一覧もあります)。
本書の端々に書いてあることですが、無理は禁物です。子どもに合わせて使う教材を決めましょう。
最後に、「小学校の勉強は年長の秋からスタート」という時代になったと書かれています。そして、小学校入学時には「ひらがな読み書き」「足し算」ができることが最低限度で必要とのことです。より早く年中から学習を始めるなら、親と一緒に机に向かうのが楽しいという状態を作るところから始めるようにしましょう。
おうち学習の具体的マニュアル
おうち学習の具体的マニュアルは、「音読」「百ます計算」「漢字」のセットを毎日行うことです。3つを15分から30分で行います。
『新・おうち学習戦略』では、それぞれのポイントについて詳細が書いてありますので、是非読んでみてください。
コラムでタイピングを学ぶ時期は小学校2年生または3年生からと書かれていて、「音読」「百ます計算」「漢字」のような従来型の学習内容以外にも、最近の学習内容についても書かれています。
小学生のおうち学習の方法を知りたい人は読みましょう
小学生のおうち学習の方法を知らない。だから、おうち学習の方法を知りたいという人は『新・おうち学習戦略』を読みましょう。
本書は以上のように小学生のおうち学習の具体的な方法が書かれています。
本書に書かれている内容を実践すれば、子どもの年齢や学習スタイルに合ったおうち学習計画を戦略的に立てることができるようになると思います。
そして、子どもたちが楽しみながら学べる環境を作ることができるようになると思います。
以下では、私の感想などから本書をおすすめする理由を掘り下げたいと思います。
ダイチの感想
読書のきっかけ
私が『新・おうち学習戦略』を読もうと思ったきっかけは、長男(5歳)に算数を教えようと思ったからです。
我が家では算数を教える担当は私のため、どうやって教えたら良いかを調べる中で妻が本書を見つけました。
当初は「算数の教え方が知りたい」だったのですが、『新・おうち学習戦略』というタイトルにも惹かれて、おうち学習をどうやったら良いかの方向性について知ることができたら良いなと思って読み始めました。
読書中の気付き
『新・おうち学習戦略』を読んでの気付きは、
- 2023年発行時点での小学校の学習内容と学習環境
- 子どもに合わせた学習計画の重要性
- おうち学習の方法
です。
2023年発行時点での小学校の学習内容と学習環境
『新・おうち学習戦略』では、2023年発行時点での小学校の学習内容と学習環境が書かれています。
私は最近の小学校の学習内容と学習環境について、自分の時よりも変わっているのだろうとは思っていましたが、どのような状況にあるのかは知りませんでした。
私としては本書で
- 「できる子」と「できない子」の二極化が進んでいること
- PISAに表れる日本の学力低下
という最近の小学校の状況を知ることができて良かったです。
「できる子」と「できない子」の二極化が進んでいるとは、2000年代当時ゆとり教育を背景に学力の二極化が進んだということなのですが、ゆとり教育から舵をを切った現在においては更に学力の二極化が進んでいるという印象を著者が受けているとのことです。
PISA(OECD生徒の学習到達度調査)とは、15歳児を対象とした国際的な学習到達度に関する調査で3年ごとに実施されているものです。
本書では、国立教育政策研究所の『OECD生徒の学習到達度調査(PISA)』を要約したグラフが載っています。
グラフを見た私は、得点・順位ともに下降傾向かなと思いました。
こういった小学校の状況についての知識は新しいものに更新していかないといけませんね。
子どもに合わせた学習計画の重要性
小学校の学習内容と学習環境から、『新・おうち学習戦略』は「これからの時代、子どもの学習を”おうち”が担う」としています。
小学校の状況を見ていると、子どもの学習は他人(学校や塾)任せではいられないのだと思いました。
おうち学習の方法について知りたくなりました。
おうち学習の方法(我が子に合わせる)
おうち学習の方法については、既に簡単にご紹介したとおりです。
本書には、おうち学習の方法の他にも親の心構えとして、
- 子どもが自分でできる教材を与えること
- 勉強に取り組む我が子の姿勢を褒める、子どもの成長を喜ぶ
- うまくいかなくなる最大の理由は、親の焦り
- 「理解が大切」の落とし穴
などについても書かれています。
「理解が大切」が落とし穴であることについては、私にとっては目から鱗でした。
私はある時から理解が大切だと思って勉強をしてきました。そして、子どもに対しても理解するように勉強を教えようと思っていました。
ですが、『新・おうち学習戦略』では、無理に理解させようとしてもできないのでストレスになる。計算も問題と答えを丸暗記させる。理解する力は中学生から自然に伸びてくるとありました。
確かに、計算するにしても理解するよりも暗記する方が早い時ってありますよね。
覚えることも重視したおうち学習をしてみたいと思いました。
実践できることからやっていきたい
『新・おうち学習戦略』にはおうち学習の方法が書かれていますが、実際におうち学習計画を立てて継続していくことは大変だと思います。
できることからやっていきたいと思います。
幸い我が家はこの記事を書いている2023年現在、長男は5歳(年中)です。
本書の対象者の中としては早い年齢です。
本書に書かれているとおり、親と一緒に机に向かうのが楽しいという状態を作るところから始めるようにしたいと思います。そして、小学校入学時には「ひらがな読み書き」「足し算」ができるようにしていきたいと思います。
インターネット上の口コミ
インターネット上の口コミを見てみると、
- 基礎の重要さを再確認した。
- できなかったことができるようになった。ドリルで苦手な箇所がわかるようになった。助かった。
- 小学校で学ぶ内容の変化を知ることができた。
というような本書をおすすめする口コミもある一方で、
- 基本的なことが書かれているが、やるとなると大変
- 新しい情報がない
- 著者の考え方が合わない
というようなものも見られました。
私にとっては、『新・おうち学習戦略』は知らないことばかりだったので読んで良かったです。
最近の小学校の状況や、その状況に対応した家での国語や算数の教え方を知ることができました。
数ある方法論のうちの1つとして参考にしたいですね。
メリット・デメリット
『新・おうち学習戦略』を読むことのメリットとデメリットをまとめます。
メリット
『新・おうち学習戦略』を読むことのメリットは、
- 年中・年長から小学生までの子どものおうち学習の方法がわかる
- 子どもに合わせた学習計画重要性を確認できる
- 最近の小学校の学習内容と学習環境がわかる
です。
デメリット
デメリットとしては、
- おうち学習計画を立てるのも大変、守るのも大変
ということです。
本記事で紹介したように、おうち学習計画を作るにも労力がかかりますし、計画はまずは2か月かかります。
本書を読んだだけでおうち学習が出来上がるわけでもなく、子どもが計画どおりに学習してくれるわけではないでしょう。
ですが、このデメリットは方法論について書いているどの本にも共通することですね。
『新・おうち学習戦略』を参考にして、各家庭で取り入れることができることから始めていきましょう。
どんな人におすすめか
以上を踏まえて『新・おうち学習戦略』をおすすめする人は、
- おうち学習の方法を知りたい人
- おうち学習の知識の確認や幅を広げたい人
です。
おうち学習の方法を知りたい人
おうち学習をやってみたいがどうしたら良いかわからない人は、是非とも読んでください。
『新・おうち学習戦略』を読むことで、おうち学習必要とされる背景から、おうち学習計画立て方・守り方、具体的な教材まで知ることができます。
おうち学習の知識の確認や幅を広げたい人
もう既におうち学習を始めているが、おうち学習の知識の確認や幅を広げたい人も読むことをおすすめします。
『新・おうち学習戦略』に書いてある方法だけがおうち学習ではありません。他の方法でおうち学習をしても良いと思います。
ですが、いろんな方法を知る方がより良いのではないでしょうか。
親としてはいろんな方法を知って、子どもに合わせたおうち学習をしていきたいですね。
早く知っておきたい知識
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
本記事を読んで少しでも『新・おうち学習戦略』のことが気になった方は早めに読むようにしてください。
本書に書かれているおうち学習計画は早い段階で始める方が良いことに間違いありません。子どもに学習の遅れが出ないようにする方が良いからです。
もし、子どもに学習の遅れが出ていたとしても、本書には学習に遅れがある場合の学習計画についても記載があります。早めに読んで対応しましょう。
まとめ:おうち学習計画を戦略的に立てて、子どもが楽しみながら学べる環境を作ろう
この記事では、陰山英男(2023)『新・おうち学習戦略』について書きました。
本書は、
- おうち学習成功のための環境づくり4つの鉄則
- おうち学習計画の立て方
- おうち学習の具体的マニュアル
が書かれた本です。
本書を参考にすると、年中・年長から小学校6年生までの子どもの年齢や学習スタイルに合ったおうち学習計画を立てることができると思います。
子どもに合ったおうち学習計画を立てることができるので、子どもが楽しみながら学ぶ環境を作ることできると思います。
子どもが楽しみながら学ぶ環境を作って、育児を楽しんでいきましょう!